開業初年度決算の注意事項
- 開業初年度の届け出が大切
- 事業を始めると税務署に様々な書類を提出することになります。
その中でも、申告方法などを選択する書類については、特に重要です。
そのような書類の一例としては下記の通りとなります。- 青色申告承認申請書
- 減価償却資産の償却方法の届出書
- 青色事業専従者給与に関する届出書(個人の場合)
- 消費税課税事業者選択届出書
これらの書類を提出するか否か、またその記載内容によって、
納付する税額や還付される税額が変わってくる場合があります。
また、各書類にはそれぞれに提出期限があります。 - 開業初年度決算の重要性
- 決算は、その事業の業績や企業状態を示す書類を作成する手続きになります。
開業初年度は、今後、どういった方針の事業を展開していくかなど、
様々な要素を加味したうえで行う必要があります。
というのも、決算書は毎期の連続性が重要となってくるからです。
途中で大きく連続性が損なわれると、過年度との比較が適切に行えなくなる可能性があるためです。 - 開業初年度の繰延資産
- 繰延資産という言葉をご存知でしょうか?
これは、まとまった支出を行っているが、その効果が数年に渡って影響する場合、
支出時の経費とするのではなく、一度資産として計上しておいて、
その効果の及ぶ期間で徐々に経費化していくものをいいます。
これが、2年度目以降の決算での納税額に影響を与えてきます。例えば、法人において下記のような仮定を行います。
上記支出の額:200万円(5年度で経費化した場合の年経費額:40万円)
上記支出を経費に加える前の利益:800万円
2~5年度目の利益:900万円<初年度にすべて経費化した場合>
初年度法人税額は600万円×15%=90万円
2~5年度目の各年度の法人税額は800万円×15%+100万円×23.9%=143.9万円
5年間の合計法人税額は90万円+143.9万円×4年度=665.6万円<5年度に渡って経費化した場合>
初年度法人税額は760万円×15%=114万円
2~5年度目の各年度の法人税額は800万円×15%+60万円×23.9%=134.34万円
5年間の合計法人税額は114万円+134.34万円×4年度=651.36万円両方のケースでの法人税差額は約15万円です。
処理方法の違いだけで支払う税金に差が出てきます。
初年度決算時に、初年度ですべて経費にするか否かの判断をしなければいけません。
そのため、税理士と相談のうえ、処理方法をしっかりと判断する必要があります。もし、開業初年度決算時に税理士からこのような提案を受けていなかった場合、
もしかすると税金で損をしているかも知れません。
申告が済んでしまっていれば処理自体を変えることはできませんが、
顧問契約を行う税理士の変更を検討されても良いかも知れません。もし税理士の変更を検討しようかな?と思われた方は、
一度、税理士変更の検討のページをご覧ください。
いくつかの目安となる事項を記載しております。
また、セカンドオピニオンという制度もありますので、ご参考ください。
なお、直接、お問合せフォームからご連絡をいただいても、喜んで対応させていただきます。