開業時の現預金管理
- 現預金管理の必要性
- 開業時を含め、事業を行っていく上では現預金の管理が
とても重要になってきます。
というのも、現預金を適正に管理できていないと、
いま現在、お金が増えているのか減っているのか、
だんだんとわからなくなってしまうからです。
また、税務申告をする場合にも、現預金を集計する必要がありますが、
管理ができていないと、その際にも苦労をすることになります。
- 現預金管理の失敗例
- よくある失敗パターンは下記のようなケースです。
個人でも法人でも、代表者の自分の財布からお金を払っており、
足らなくなったらプライベートの預金口座から引き出して、また使う。
売上が上がったら、必要な分だけ財布に入れておいて、
残りをプライベートの預金口座に入金する。こんな管理方法をしていませんか?
これでは、事業のためにいくら使ったのか?事業でいくら利益が出たのか?
そうしたことがわかりにくくなってしまいます。
場合によっては、気付くとプライベートの預金口座のお金がほとんどなくなっていた、
ということもあります。
事業を行う方のほとんどは、儲けを出すために行動されるはずです。
しかし、現状が正確に把握できておらず、利益が出ていない状態であると
気付けなかったときは、自身の貯蓄をどんどんと食い潰す結果にもなります。このように、事業を上手く進めるためにも、現預金管理は必要となります。
- 預金の管理方法
- まずは比較的簡単な預金の管理方法からご紹介します。
ご紹介と言っても、事業専用の預金口座を開設するの一言です。
管理のためだけであれば、銀行・信用金庫の種別も問いません。しかし、せっかく口座開設をするのであれば、
今後のことも見越して金融機関を選択された方が有意義です。そこで金融機関の選び方ですが、
まず、行きやすい場所にあるということは重要です。
基本的には最寄りの支店でしか口座を開設できませんが、
最寄りと言っても車で15分以上かかるという金融機関も多々あります。
例えば、京都市内であっても、信用金庫は支店数が多いですが、
メガバンクともなると支店数もATMも少なくなります。
こうしたことを考慮して金融機関を選ぶというのが1つの方法です。その上で、事業を行っていくうえで融資を受ける機会も出てくると思います。
その際に融資を受ける可能性が高いと思われる金融機関で口座を作っておくと良いでしょう。
というのも、民間の金融機関から融資を受ける場合には、その金融機関の
口座を開設する必要があるためです。
例えば開業当初にメガバンクAで口座を開設していて、その後、
信用金庫Bから融資を受けることとなった場合には、改めて
信用金庫Bの口座を開設する必要があります。
こうなると二度手間にもなってしまいますので、当初から融資を受ける可能性が
高いところに口座を開設しておくことをお勧めいたします。ちなみに、事業歴が短く売上規模も小さい場合には、
メガバンクや地銀よりも、信用金庫の方が融資を受けやすくなります。
- 現金の管理方法
- 現金の管理と聞くと簡単そうに思われるかも知れませんが、
意外とこれが出来ていない方が多くいらっしゃいます。管理方法としてはいくつか方法があり、それぞれの方の性格や、
事業の形態等によって最適なものは変わってきますが、
その中で、おすすめの方法をご紹介します。それは、現金ボックスを購入する方法です。
そこに「事業用の現金」を入れておきます。
事業所で直接何かの支払をする場合はボックスから直接支払をします。
問題は外で、例えばコンビニで事業用のものを購入した場合等です。
この際、一度、代表者や従業員の方の財布から支払をすることになると思います。
そのときにレシートや領収書を受け取ると思います。
この領収書を事業所に持っていき、その領収書等の金額を現金ボックスから
出して、精算を行います。
サラリーマンをしたことがある方なら、一度や二度は、経理に領収書を持っていき、
お金を返してもらった経験があるのではないでしょうか?
それと同じことをやるわけです。
なお、現金と引き換えたあとの領収書等は、現金ボックスに入れておき、
1ヶ月が終われば、まとめて別の封筒等に入れて保管されると良いでしょう。なお、領収書等が発行されない経費、例えば電車代などについては、
別途、その日付・内容・金額を記載するノートやルーズリーフ等を用意し、
そこに記載していく方法で足ります。
ちなみに私自身は、そうした経費についてはExcelで管理をしています。こうして現金と領収書等を引き換えにして精算を行っていくと、
いずれ現金の残高が減ってきます。
そうなってきた場合は、事業用の預金口座から現金を引き出し、
またボックスに入れるという流れを繰り返すことになります。預金口座と現金ボックスという2つのアイテムを使うことで、
プライベートと事業を完全に分けて管理をすることが可能となります。当然、ここに書かせていただいたのは一例であり、
すべての方がこの通りにしなければならない、というわけではありません。
しかし、いずれにしても現預金管理をする必要はあります。少しでも気になったという方や、もう少し詳しく話を聞きたいと思われた方は、
まずはお気軽に、お問合せフォームかお電話にてお問い合わせください。